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口臭ってどんな原因があるの?(生理的口臭編)|いわむら歯科|瑞穂区中山町の歯医者

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口臭ってどんな原因があるの?(生理的口臭編)

こんにちは、名古屋市瑞穂区にあります、桜山駅から徒歩6分のいわむら歯科院長の岩村です。
今回は「口臭ってどんな原因があるの?」について解説していきます。

日本口臭学会では、口臭を大きく「生理的口臭」と「病的口臭」に分類しています。
生理的口臭とは、疾患に起因する口臭ではなく、良好な健康状態と生活習慣の人でも生きていれば誰にでも発生する口臭のことを指します。心理状態や生活習慣の変化、生理的要因によって口臭の程度は影響を受けます。またブラッシング時に最も減少する口腔内細菌はその後増加しますので、その細菌数の変化によっても口臭の発生に影響を及ぼします。
口臭レベルは1日の中で周期的に変化することが特徴で、これを「日内変動」と呼びます。生理的口臭は器質的な疾患に起因する口臭ではなく、この日内変動をベースとして、さらにホルモン周期や日常生活という変動因子を受けて生理的な変動を示します。

①一般的な生理的口臭
⑴起床時口臭
誰にでも認められる口臭です。睡眠中に口腔内の唾液分泌量が減少し、口腔内細菌などが洗い流される作用が低下することで細菌や舌苔が増加し、においが生じます。
⑵緊張時口臭
過度のストレスや緊張により発生する口臭です。漿液性唾液(サラサラの唾液、リラックス時に副交感神経により耳下腺から分泌される)から粘液性唾液(ネバネバの唾液、緊張時に交感神経により舌下腺から分泌される)が優位となって、ガスが溶存できる口腔内の水分量が減少し、洗い流し作用が低下するためににおいが発生します。
⑶空腹時口臭および疲労時口臭
空腹時口臭と疲労時口臭は表裏一体の関係にあります。いずれもエネルギーとなる糖分の不足を補うために、脂肪が分解されることから生じます。脂肪の分解では脂肪酸の代謝(β酸化)の亢進によりケトン体(脂肪の合成や分解から生じる中間代謝産物)が生成され、アセトン(ケトン体の一種)が呼気から排出されます。このときのにおいは「アセトン臭」といわれ、独特の酸っぱいにおいがします。
⑷加齢性口臭
加齢にともなう唾液分泌量・流量の減少などによってにおいが生じます。

②ホルモンの変調に起因する口臭
⑴月経時口臭
月経時、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により唾液分泌量が減少することと関連します。歯周病原因菌P.i.菌の増加と関連があるとも報告されています。また、PMS(月経前症候群)によるストレスが、口腔内の唾液を減少させることも考えられます。
⑵妊娠時口臭
妊娠時は、エストロゲンが多く分泌されることにより歯周病原因菌P.i.菌が増加し、それにともなって歯肉の炎症が惹起されやすくなります。さらに唾液の質が変化し、粘性が高くなることなども相まって、口臭が増加するリスクが高まります。
⑶思春期口臭
思春期に多く分泌されるようになる性ホルモンの作用のほか、人によって通常成長とともに小さくなるはずの口蓋扁桃が大きいまま残ることがあり(扁桃肥大)、扁桃腺の裏などに唾液などが停留しやすくなります。また混合歯列期に永久歯萌出が遅れると、咬合に参加していない歯(不働歯)にプラークが蓄積しやすくなり、口臭の元となります。
⑷更年期口臭
エストロゲンの分泌が減少していく更年期では、唾液の分泌量が少なくなり、粘性が高くなります(=ムチン成分が多い状態)。また、月経不順により自律神経系の乱れが起きやすくなり、唾液のねばつきにともなう口臭が発生しやすい環境となります。

③外的要因による口臭
⑴嗜好物、飲食物、薬物などに起因する口臭
タバコがわかりやすい例でしょう。また、例えばニンニクを使った料理やビタミン剤を日常的に好んだり、毎日多量に服用したりする人からは、二硫化アリル/フルスルチアミンによるニンニク臭が感知されます。