こんにちは、名古屋市瑞穂区にありますいわむら歯科院長の岩村です。
本日は「キシリトールガム」について解説していきます。
キシリトールは自然界では多くの果実や野菜に含まれている”天然の甘味料”です。人の肝臓でも、1日当たり約15gのキシリトールが作られています。我々がお菓子やガムとして摂取しているキシリトールは白樺や樫の木などを原料としたものです。厚生労働省やWHOなどから認められる安心安全な甘味料です。甘さは砂糖と同じぐらいで、カロリーは3/4と低いです。ほのかにひんやりしており後味もすっきりとしています。血糖値を上げにくいので、糖尿病の方も安心して食べて頂けます。
キシリトールは虫歯の原因菌であるミュータンス菌が出す酸を作りだす際の栄養源とななりません。また、甘みが強いので、その甘味により唾液も出やすくなり、酸を中和しやすくします。この二つがキシリトールがむし歯の原因にならない理由です。また、長期間(3か月以上)摂取するとミュータンス菌の数を減らす作用もあります。1年後には1/2以下、2年後には1/4以下と言われています。
キシリトールをガムにして摂取する事も良い影響があります。ガムを噛むことで唾液分泌が促進されます。唾液には歯質強化を促す役割がありますし、口腔内を中性の状態に保ちやすくするため、虫歯予防にもつながります。噛むことで顎を使いますので、老化防止効果もあります。
キシリトール100%ガムは歯科専売品です。市販品には50%程度しか入っていません。つまり、歯科専売品のガムには1粒に市販品の2倍の量のキシリトールが入っていることになります。歯科専売のガムは義歯や強制装置にもつきにくいです。硬さも約2倍で唾液の分泌をより促進します。そのため、虫歯に”なりにくい”市販のキシリトールガムよりも虫歯に”ならない”歯科専売のキシリトールガムをおすすめします。当院ではぺパーミント、ストロベリー、マスカットの3つの味をご用意しております。
特に口腔内の状態が悪くなりやすく、虫歯にもなりやすいことから妊婦さんにはおすすめです。また、キシリトールを妊娠6か月の妊婦が1年間食べた研究では生後1歳時点でお口にミュータンス菌がいた子供は食べていない妊婦の子供に比べて1/4以下という報告もあり、子供にとってもキシリトール摂取を良い影響があります。
1日3回食後に3粒ずつ10分以上噛んでください。歯磨きの前か後かについては、キシリトールのどの効果を期待するかによって異なります。歯磨きの効果を高めるためには、歯磨きの前が良いでしょう。一方、歯を強くすることを期待するのであれば、歯磨きのあとがおすすめです。これはどちらでも構いません。効果を出そうと、摂取しすぎるとお腹がゆるくなりやすいですので注意してください。