「歯医者さんって、薬の匂いがするし、なんとなく空気が気になる……」そう感じたことはありませんか?歯科治療では、ドリルや超音波スケーラーを使用する際に目に見えない微細な飛沫(エアロゾル)が発生します。これには唾液・血液由来の細菌・ウイルスが含まれる可能性があり、院内の空気環境は患者さんとスタッフ双方にとって重要な問題です。いわむら歯科では、この課題に正面から向き合うため、医療用空気清浄装置「エアロシステム」を院内3か所に設置しています。今回はその理由と、エアロシステムの仕組みをくわしくご説明します。
💨 歯科治療中の「空気」が気になる方へ
歯科医院に入ると感じる独特の匂い——薬剤の匂いや、歯を削るときの焦げたような匂い。「この空気、大丈夫かな」と感じる方は少なくないと思います。実はこの「感覚」は、医学的な観点からも正しい問題意識です。
歯科治療では、高速回転するドリル(エアタービン)や超音波スケーラー(歯石除去器具)、エアシリンジ(風を当てる器具)などを使用する際に、患者さんの口腔内の液体が微細な霧状に飛散します。これを「エアロゾル」と呼び、空気中に長時間浮遊する性質があります。
🔬 歯科治療でエアロゾルが発生するメカニズム
歯科治療中に発生するエアロゾルには、患者さんの唾液・血液・歯垢などが含まれており、これらには細菌やウイルスが存在することがあります。特に以下の治療処置でエアロゾルが多く発生します。
- エアタービン(高速ドリル)による歯の切削:毎分数十万回転するドリルが注水しながら歯を削るため、大量のエアロゾルが発生する。歯科治療の中で最もエアロゾルが多い処置のひとつ
- 超音波スケーラーによる歯石除去:超音波振動と水流を組み合わせて歯石を砕くため、細かい飛沫が広範囲に飛散する
- エアシリンジ(エアブロー):乾燥のために空気を吹き付ける処置。口腔内の内容物が飛散しやすい
- 研磨・クリーニング:歯の表面を磨く際にも唾液・研磨剤が霧状になる
これらのエアロゾルは、タービンや超音波スケーラーが発生させる微細な水滴が半径数メートルに拡散することが複数の研究で可視化されています。エアロゾルは直径5μm以下の微細な粒子であるため、空気中に長時間(最長数時間)漂い続けることがあります。
電気集塵方式の特徴
電気集塵方式は非常に細かい物を大量に取れるという特性があり、パワーのある業務用空気清浄装置にメンテナンスを加えたエアロシステムはクリーンな空気環境を継続的に提供できます。HEPAフィルター方式と異なり、フィルターの目詰まりによる性能低下が起きにくく、高い清浄能力を長期間維持できることが特徴です。
2段階消臭で薬剤臭も軽減
以前は空気がよどみ、窓を開けたりしていたが、エアロシステム導入後はその必要がなくなり歯科医院特有の薬剤臭も気にならなくなったという導入医院の声もあります。歯科特有の薬品の匂い・切削時の焦げた匂いも、オゾン分解と活性炭吸着の2段階で効果的に除去します。
定期メンテナンスで能力を維持
空気清浄機の能力を維持継続するために最も重要なメンテナンスを、2ヵ月毎の定期メンテナンスで実施します。集塵部品交換・機械本体清掃・点検を行うことで、機械の能力を常に高く保つことができます。いわむら歯科でも定期メンテナンスを欠かさず行い、常に最高の清浄性能を維持しています。
🛡️ 空気対策だけではない、いわむら歯科の感染管理
エアロシステムによる空気清浄は、いわむら歯科の感染管理の一部です。空気だけでなく、器具・環境すべての清潔さを維持するために以下の取り組みを行っています。
- 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ):患者さんごとに使用した器具をすべて滅菌。タービン・ハンドピース類も患者さんごとに交換・滅菌処理
- ディスポーザブル(使い捨て)製品の活用:グローブ・マスク・エプロン・コップ類は患者さんごとに使い捨て
- ユニット・チェアの拭き取り消毒:患者さんが替わるたびに診療チェア・ライト・周辺機器を消毒液で拭き取り
- 院内CTによる非接触診断:院内設置のCTで精密診断が可能。他院への移動・待機リスクを減らす
- 換気の徹底:定期的な換気を実施。エアロシステムと換気を組み合わせて空気の質を管理
👃 口臭外来をお受けの方へ——エアロシステムと口臭測定の関係
いわむら歯科では口臭治療に力を入れており、口臭測定器(オーラルクロマ)を用いた専門的な口臭検査を行っています。エアロシステムは院内の空気環境を高水準に保つ装置ですが、口臭測定を行う際には注意が必要な点があります。
エアロシステムが口臭測定に影響を及ぼす可能性
エアロシステムは微量のオゾン(0.03ppm以下)を発生させて除菌・脱臭を行っています。このオゾンは人体への影響はない濃度ですが、口臭の主要原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)と化学的に反応する性質を持っています。硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイドなどのVSCはオゾンによって酸化・分解される可能性があり、口臭測定値に影響を与えることが考えられます。
また、エアロシステムの強力な吸引・循環機能によって室内の空気が常に入れ替わるため、呼気サンプルの採取環境として測定値がわずかに変動する可能性も否定できません。
❓ よくある質問
Q:オゾンは体に害がないですか?
Q:家庭用の空気清浄機との違いは何ですか?
Q:なぜ3台設置したのですか?1台では足りないのですか?
📝 まとめ
- 歯科治療中はエアタービン・超音波スケーラーなどによりエアロゾルが発生する。これは複数の研究で可視化されている
- エアロゾルには細菌・ウイルスが含まれる可能性があり、空気中に長時間漂う
- エアロシステムは家庭用の7〜10倍の清浄能力を持つ医療用装置。0.01μmの微粒子まで除去できる
- 天井設置型のため場所を取らず、室内全体の空気を効率よく循環・清浄できる
- いわむら歯科では待合室・メインテナンススペース・特診室の3か所に設置し、院内すべての空間をカバー
- 電気集塵+オゾン除菌+2段階脱臭の多層浄化で、ウイルス・細菌・薬剤臭を同時に対処
- 定期メンテナンスで常に高い性能を維持している
- 2024年4月の開院当初から導入。「最初から安心できる環境を」という院長の方針のもと、開業日から全3台を稼働させている
- 口臭外来では、エアロシステムのオゾンがVSC測定値に影響する可能性を考慮した測定プロトコルを採用している
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