こんにちは、名古屋市瑞穂区の桜山駅から徒歩6分にあります、いわむら歯科院長の岩村です。
赤ちゃんが生まれてから数か月すると、母乳やミルクだけだった生活から「食べる」ことを覚える離乳食の時期が始まります。多くの保護者の方は「どんな食材をあげればいいの?」「いつから始めればいいの?」といった疑問を持たれることでしょう。
しかし、実は離乳食と歯科医院にはとても深い関係があります。歯科医院というと「虫歯になってから行く場所」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、近年では赤ちゃんの頃からの食習慣や口の発達をサポートする場所としての役割も重要視されています。
今回は、離乳食と歯科医院の関係について、歯の発育・口の機能・虫歯予防という観点から詳しく解説します。
赤ちゃんの口の発達は「食べること」と密接に関係しています
赤ちゃんの口は、生まれたばかりの時点ではまだ「食べる」機能が十分に発達していません。最初は母乳やミルクを飲むための**吸う動き(吸啜)**が中心です。
その後、成長に伴って以下のように機能が発達していきます。
口の発達の流れ
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吸う(母乳・ミルク)
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舌でつぶす
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歯ぐきでつぶす
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噛む
離乳食は、こうした口の発達段階に合わせて進めることがとても重要です。無理に硬いものを与えたり、逆にいつまでも柔らかいものばかり与えてしまうと、口の機能発達に影響することがあります。
歯科医院では、歯だけでなく舌や唇、顎の動きなど口全体の発達もチェックすることができます。
歯が生える時期と離乳食
一般的に、赤ちゃんの歯は生後6か月頃から生え始めます。もちろん個人差があり、早い子では4か月頃、遅い子では10か月頃から生えることもあります。
最初に生える歯は、多くの場合**下の前歯(乳中切歯)**です。
歯の生え始めは以下のような順番が多いです。
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下の前歯
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上の前歯
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前歯の隣
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奥歯
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犬歯
すべての乳歯(20本)が生えそろうのは2歳半〜3歳頃です。
歯が生えてくると、赤ちゃんは食べ物を歯ぐきや歯でつぶすことができるようになります。離乳食の形態を変えるタイミングにもなるため、歯の状態を確認することはとても大切です。
離乳食と虫歯の関係
「赤ちゃんでも虫歯になるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は乳歯は永久歯より虫歯になりやすいという特徴があります。
理由はいくつかあります。
乳歯はエナメル質が薄い
乳歯は永久歯と比べて、歯の表面を覆うエナメル質が薄いため、虫歯が進行しやすいのです。
食事回数が多い
赤ちゃんは胃が小さいため、1日に何回も食事をします。食事の回数が多いほど、口の中が酸性になる時間が増え、虫歯のリスクが高まります。
甘い食品が多い
市販のベビーフードやおやつには、赤ちゃんが食べやすいよう甘みがあるものもあります。砂糖が多い食品を頻繁に食べると、虫歯のリスクが高くなります。
離乳食期に気をつけたい食習慣
赤ちゃんの頃の食習慣は、その後の虫歯のなりやすさにも影響します。
特に注意したいポイントをいくつか紹介します。
ダラダラ食べを避ける
長時間にわたって食べ続ける「ダラダラ食べ」は、口の中が常に酸性状態になり虫歯の原因になります。
できるだけ
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食事時間を決める
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おやつの時間を決める
といった食事リズムを作ることが大切です。
甘い飲み物を習慣化しない
ジュースや甘い飲み物は虫歯の大きな原因になります。
特に
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寝る前のジュース
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哺乳瓶での甘い飲み物
は虫歯リスクが高いため注意が必要です。
基本的には水やお茶を中心にするのがおすすめです。
噛む力を育てる離乳食
近年、子どもの「噛む力」の低下が問題になることがあります。
原因の一つは、柔らかすぎる食事です。
もちろん離乳食の初期は柔らかい食べ物が必要ですが、発達に合わせて
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少し形を残す
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指でつぶせる硬さにする
など、徐々に噛む練習ができる食事にしていくことが大切です。
噛むことには次のようなメリットがあります。
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顎の発達を促す
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歯並びに良い影響
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脳の発達
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食べ過ぎ予防
つまり、離乳食は単なる栄養補給ではなく、口の成長トレーニングでもあるのです。
歯科医院でできる離乳食サポート
「離乳食の相談は小児科や保健センターだけ」と思われがちですが、歯科医院でもさまざまなサポートが可能です。
例えば次のようなことを相談できます。
口の発達チェック
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舌の動き
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唇の力
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顎の成長
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飲み込み方
などを確認します。
食べ方のアドバイス
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丸のみしてしまう
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噛まずに飲み込む
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食べるのが遅い
といった悩みに対して、食事の形態や与え方をアドバイスできます。
歯みがき指導
歯が生え始めたら、歯みがき習慣もスタートします。
歯科医院では
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赤ちゃんの歯ブラシの選び方
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仕上げ磨きの方法
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フッ素ケア
などもお伝えできます。
赤ちゃんはいつ歯科医院に行けばいい?
多くの保護者の方が疑問に思うのが、
「歯医者はいつから行けばいいの?」
ということです。
一般的には
「1歳頃までに歯科デビュー」
が推奨されています。
理由は次の通りです。
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虫歯予防を早く始められる
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食習慣の相談ができる
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歯科医院に慣れる
小さい頃から歯科医院に通っていると、歯医者を怖がりにくいというメリットもあります。
離乳食期の歯みがきのポイント
赤ちゃんの歯みがきは、最初から完璧にする必要はありません。
大切なのは歯みがきに慣れることです。
歯みがきのステップ
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ガーゼで拭く
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赤ちゃん用歯ブラシ
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仕上げ磨き
1日1回、できれば寝る前に行うのがおすすめです。
家族からの虫歯感染にも注意
虫歯は、虫歯菌による感染症です。
赤ちゃんは生まれたときには虫歯菌を持っていませんが、家族との生活の中で菌がうつることがあります。
例えば
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食器の共有
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口移し
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同じスプーンの使用
などです。
必ずしも神経質になる必要はありませんが、家族の口腔ケアもとても重要です。
歯科医院は「歯を治す場所」から「育てる場所」へ
これまで歯科医院は「虫歯を治療する場所」というイメージが強かったかもしれません。
しかし現在は
予防歯科
という考え方が広がっています。
特に赤ちゃんの頃から
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食習慣
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口の発達
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歯みがき習慣
を整えることで、将来の虫歯や歯並びのトラブルを減らすことができます。
つまり歯科医院は
歯を治す場所ではなく、歯を育てる場所
でもあるのです。
まとめ
離乳食は単なる食事ではなく、赤ちゃんの
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口の発達
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歯の健康
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食習慣
を作るとても大切な時期です。
そして歯科医院は
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虫歯予防
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噛む力の発達
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食べ方のサポート
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歯みがき指導
などを通して、赤ちゃんの健やかな成長を支えることができます。
「まだ歯医者は早いかな」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、歯が生え始めた頃が歯科デビューの良いタイミングです。
お子さまの「食べる」と「歯の健康」を守るために、ぜひ歯科医院を上手に活用してください。