こんにちは、名古屋市瑞穂区にありますいわむら歯科院長の岩村です。
2025年もいわむら歯科をよろしくお願いいたします。
新年1回目のブログは「マグネットデンチャー」についてです。

マグネットデンチャーとは名前の通り、磁力で固定する方式の入れ歯です。今残っている歯の根っこの部分に磁性金属を含んだ土台を装着して、入れ歯の方に磁石を埋め込むことで、義歯を磁力によりピッタリ吸着させます。従来、部分入れ歯を固定するには残っている歯に金属のバネを使うのが一般的な方法でした。ところが、このバネ式では使っているうちにバネが弛んだり、変型したり、果ては折れてしまう、またバネがかかっている歯に大きな負担をかけるためにその歯が痛んでしまうといったトラブルが付き物でした。また審美的に前歯にバネが見えて格好が悪いなどなど問題が多々ありました。しかし、磁石を使うことで、取り外しが簡単になり、歯冠・歯根比が改善されるため、歯への負担が軽減され、結果的に歯の寿命が延びることとなります。

利点としては
・磁石による固定により、従来の入れ歯よりも安定性が向上し、食事中や会話中に外れにくくなります
・入れ歯の取り外しが簡単で、清掃やメンテナンスがしやすいです。
・クラスプ（針金）を使用しないので、見た目が良いです。
・無理な力が加わるとはずれ、歯根に負荷をかけ過ぎることがない

欠点としては
・クラスプを使わない入れ歯の中では維持力が比較的弱いため、土台になる歯の本数が少ない場合には適用できないことがあります。
・歯根が残っている方にしか適用できません。インプラント体を埋入後、磁性金属を含んだ土台を装着して、入れ歯の方に磁石を埋め込
　む方法もありますが、使用されることはまれです。
・保険適用外になるため、治療費が高額になることがあります。1本5万円程度の金額となることが多いようです。
・頭部のMRI検査を受ける際には、歯科医院で事前に土台を取る処置が必要になることがあります。
・磁気アレルギーの方、ペースメーカーを使用されている方には適用できないことがあります。

今までは自費診療でしたが、2021年9月より指定されたマグネットを使用することで、保険でも作製できるようになりました。金額的には1本5000円程度です。患者さんにマグネットデンチャーの説明すると「そんな入れ歯が保険でつくれるのですか？知らなかった？」と驚かれます。当院でも何人か保険のマグネットデンチャーを作製しましたが、快適に使用されています。
ご興味のあるかたはお声がけください。なお、口腔内や全身の状態によっては、それ以外の方法を提案させて頂く事もありますので、ご留意の程宜しくお願い致します。