こんにちは、名古屋市瑞穂区にありますいわむら歯科院長の岩村です。

今回は、東北大学大学院歯学研究科と同大学学際科学フロンティア研究所で結成された研究グループが発表した歯科受診と介護費用との関係についての研究についてご紹介しようかと思います。以下は東北大学が2024年10月にプレスリリースした内容を抜粋します。

これまで、口腔状態が悪い人で要介護状態の発生のリスクが上昇することが報告されていますが、歯科受診が累積介護費用と関連するかどうかについては未検討でした。そこで日本の自立した高齢者8,429名を対象に、過去6か月以内の歯科受診の有無とその後8年間の累積介護費用が関連しているかどうかについて、検討を行いました。
調査の結果、過去6か月以内に歯科受診を行った人は、未受診者と比較し、その後8年間の累積介護費用が低いことがわかりました。特に予防的な歯科受診を行っている人でその傾向は大きく、未受診者と比べ、その後8年間の累積介護費用が約11万円低いことが明らかになりました。歯科受診を行うことで口腔の健康が保たれ、要介護状態の発生が先送りされた可能性や、要介護状態になった場合においても、重症化が抑えられたことで介護費用の増加を抑制できた可能性が考えられます。本研究成果は2024年8月5日に米国老年学会の国際誌である『The Journal of Gerontology: Series A』にて公開されました。

超高齢社会を迎えた日本において、介護費用は増加の一途をたどり、2019年には11.7兆円に達しています。そのため、介護保険制度の維持のためには、効率的な費用削減が望まれています。歯科医院でよく定期健診を勧められると思いますが、皆様面倒に感じていませんか？このような報告もありますので、健康に長生きして無駄な出費を減らすためにも、是非とも歯科医院での定期健診をお勧めいたします。また名古屋市では20歳から5年ごとに無料で歯周疾患検診を実施しておりますので、是非ともご活用頂ければと思います。