こんにちは、名古屋市瑞穂区にありますいわむら歯科院長の岩村です。
今回は口臭治療のなかでも口腔内乾燥度の診査についてです。
口臭がきになる方の中には、「お口の中が乾いた感じがある」や「お口の中が粘っこい感じがする」という方が一定数いらっしゃいます。口腔内が乾燥状態にあることをドライマウスと呼びますが、実はドライマウスになると口臭が出やすくなったり、虫歯や歯周病などに罹りやすくなるという特徴もあります。そのため、当院では初診時の口腔内診査時に口腔内乾燥度の測定を行っております。
診査方法は主に二つあります
①安静時唾液および刺激時唾液の流量測定
安静時唾液は5分間で口腔内に溜まった唾液を、刺激時唾液は無味無臭のガムを噛んでもらい5分間で口腔内に溜まった唾液の流量を測定します。人の安静時唾液の異常値は< 0.1 ml/分で、刺激時唾液の異常値は< 0.5 ml/分といわれています。
②口腔水分計ムーカス®による測定
こちらは舌先端にセンサー部を約2秒間押し当てることで、手軽に口腔内の水分量を測定できます。27.0未満の数値が出たら乾燥状態にあると判定します。
口腔乾燥状態にある方には以下の点を問診します
①年齢を重ねると共に徐々に唾液分泌がなくなっていったのか
②唾液分泌に影響を与える薬の服薬がないか
③全身疾患の有無
④ストレス状態に長くいる環境下かどうか
⑤口呼吸の常態化がないか
②~⑤についてはその点の改善を図ることで乾燥状態も改善する可能性があります
①についてはなかなか改善するのは困難です
年齢と共に口腔乾燥状態になった患者さんの対応としては
①唾液腺マッサージや舌運動の推奨
②保湿タイプの洗口液およびジェルを使用してもらう
③こまめな水分補強をするように指導する
などがあります。
また、当院では漢方薬による口腔乾燥状態の改善を図るケースもあります。漢方薬と口腔乾燥についてはまたいつか詳しく記載したいと思います。