こんにちは、名古屋市瑞穂区にありますいわむら歯科院長の岩村です。
12月になりずいぶん寒くなってまいりました。
さて、今回のテーマは「入れ歯でニオイしてませんか?」です。
「入れ歯を入れると口臭が強くなる気がする」「外した入れ歯からニオイがする」という方が時々いらっしゃいます。「ニオイがしてほしくない、だけど入れ歯がないと食事が満足にできない。どうすればいいの?」そんな方に
①ニオイが発生する原因は?
②どのような対策をとればいいの?
③こんな事はしないでください!
の順に説明していきます
①ニオイが発生する原因は?
1. 食べかすの残留
義歯は、天然の歯と比べて食べかすが残りやすい場合があります。特に義歯の周囲や義歯の表面に食べかすが付着すると、細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となります。
2. 細菌の繁殖
義歯を装着していると、口腔内の環境が変わることがあります。義歯の表面に細菌が付着しやすく、これが口臭を引き起こす揮発性硫黄化合物(VSC)を生成します。
3. 義歯の清掃不足
義歯は定期的に清掃する必要がありますが、適切に手入れがされていないと、プラークやバイオフィルムが形成され、口臭が強くなることがあります。
4. 唾液の分泌の変化
義歯を使用することで、唾液の分泌が変化することがあります。唾液は口腔内の洗浄や細菌の抑制に重要な役割を果たしているため、唾液の分泌が減少すると口臭が強くなることがあります。
5. 義歯の適合不良
義歯が適切にフィットしていない場合、隙間ができて食べ物が詰まりやすくなります。このような状態も口臭の原因となります。
6. 入れ歯の素材
入れ歯の素材によって臭いがつきやすく、口臭の原因になることもあります。保険適用の入れ歯ではレジン(プラスチック樹脂)を使用します。レジンは水を吸う性質があり、傷がつきやすいので、内部に細菌が入り込んで臭いを発します。
②どのような対策をとればいいの?
1. 入れ歯の清掃
入れ歯は毎日、食後に清掃することが重要です。専用の入れ歯用ブラシや洗浄剤を使用して、食べかすやバイ菌をしっかりと取り除きましょう。また、入れ歯を外した際には、浸漬洗浄剤を使用して、細菌や臭いを除去することが効果的です。
2. 口腔内の衛生管理
入れ歯を使用している場合でも、歯茎や残存している歯の清掃を怠らないようにしましょう。歯ブラシやデンタルフロスを使って、口腔内を清潔に保ちます。また、食後にうがいをすることで、口腔内の残留物を取り除くことができます。
3. 水分補給
口腔内が乾燥すると、口臭が悪化することがあります。水分をしっかりと摂取し、口腔内の潤いを保つことが大切です。
4. 定期的な歯科受診
定期的に歯科医を訪れ、入れ歯のフィット感や清掃方法についてアドバイスを受けることが重要です。必要に応じて、入れ歯の調整や交換を行うことも考慮されます。
5. 食生活の見直し
ニンニクや玉ねぎなど、口臭を強くする食べものを頻繁に摂取することを控えましょう。
6.入れ歯の素材を変更する
金属床などの自費診療に用いられる素材の中には吸水性があまりないものや傷つきにくいものがあります。
③こんな事はしないでください!
入れ歯による口臭を防ぐために、間違った手入れをしてしまうとより口臭が悪化したり、入れ歯が使えなくなったりします。
入れ歯は熱に弱いため熱湯消毒すると変形してしまい、自分の口に合わなくなってしまいます。また、入れ歯を乾燥させると変形する可能性があります。最悪の場合、入れ歯を使えなくこともあります。
歯磨き粉と歯ブラシは、天然歯を磨くために作られており、用途が異なります。入れ歯はやわらかい素材でできているため、歯磨き粉に含まれている研磨剤は入れ歯の表面を傷つけ、歯ブラシで磨くと傷がつきます。入れ歯に傷がつくと汚れがたまりやすくなり、口臭が発生します。入れ歯専用のブラシと洗浄剤を使用しましょう。