こんにちは、名古屋市瑞穂区にありますいわむら歯科の岩村です。
皆様は口臭にも色々なにおいがあることをご存じでしょうか?
その中でも今回は「甘い口臭」について説明していきます。
口から甘いにおい、または甘酸っぱいにおいがするという時は、主にケトン症という病気が考えられます。
ケトン症とは、体内で脂肪が主なエネルギー源として利用される際に、ケトン体が過剰に生成される状態を指します。通常、体は炭水化物をエネルギー源として利用しますが、炭水化物の摂取が不足したり、インスリンの分泌が低下したりすると、体は脂肪を分解してエネルギーを得るためにケトン体を生成します。
ケトン症の原因としては
糖尿病:特に1型糖尿病の患者において、インスリンが不足するとケトン体が過剰に生成され、ケトン症が発生することがあります。
極端な食事制限:低炭水化物ダイエットや断食など、炭水化物の摂取が極端に少ない場合にもケトン症が起こることがあります。
運動:激しい運動を行うことで、エネルギー源として脂肪が利用され、ケトン体が生成されることがあります。
などが挙げられます。つまり、健康な方でも起こりうるのがケトン症となります。
ケトン症は「甘い口臭」以外にも疲労感、脱水症状、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。
ケトン症の治療としては
インスリン療法:糖尿病によるケトン症の場合、インスリンの投与が必要です。
水分補給:脱水症状を防ぐために、十分な水分を摂取することが重要です。
食事管理:炭水化物の摂取を適切に行い、バランスの取れた食事を心がけることが推奨されます。
などがあります。
また、ケトン症は「甘い体臭」を発生させることもあります。これは皮膚からケトン体の一つである「アセトン」という揮発性ガスが血液循環を通して出てきているからです。また、重度の糖尿病や極度の糖質ダイエット、激しい運動をされている方だと、「甘酸っぱい尿」も出ることがあるそうです。
たかが口臭、しかも甘いにおいだしと思って放ってはおかず、今回ご説明した症状や状態を理解して、早急な対策をとるようにしてください。